作風について

現在までにホラー映画として代表的なものは何かというアンケートが行われた場合、リングと呪怨は共に候補作としてまず上がります。ある統計によるとリングと呪怨はそれぞれ受け止め方が異なっている。まずリングは『最も有名なホラーキャラクターが登場する映画といえば』で1位を獲得しており、対して呪怨は『最も怖い映画シリーズといえば』で堂々の第1位を獲得していた。

見てもらえれば分かるように、リングも確かに怖いが呪怨の方が遥かに怖いという意見が多いのです。その点については筆者も肯定する、リングよりも呪怨は真面目に覚悟してみないとトラウマレベルになるからだ。どうしてかというと、どちらも呪い殺される結末に至るわけだが、その対象があまりに違いすぎるのです。そういった作風の違いも醍醐味となっていますが、呪怨を見た後にリングを見てしまうと怖いと感じることがあまりないかもしれません。

なのでおすすめな見方としてはリングを見てから呪怨、という風にした方が良いでしょう。

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作品の傾向として

呪い殺されて死んでしまう、この2つに共通する点はそこだ。片や『呪いのビデオ』と呼ばれるものを見て、1週間以内に他の人にダビングして見せなければならないという逃げ道はあるものの、知らなければ結末は変わらない。片や『呪われた家』と呼ばれる家屋を訪れてしまうと、そこに棲みつく怨霊たちにより近いうちに殺されてしまうという内容だ。前者がリング、後者は呪怨となっている。どちらも連鎖的に呪いを伝播していってしまうものの、作品の違いとしては伝播した後でも呪いを回避することが出来る手段があるかないか、また関わっているかどうかといった点で大きな違いがあります。

リングの場合

リングシリーズの場合、巷で話題となっている呪いのビデオを見てしまうと1週間以内に死んでしまう。回避するにはダビングしたビデオを誰かに見せることで呪いの連鎖から逃れることが出来ます。初期作でも主人公はこの方法を元旦那の死亡をきっかけにして知ることとなり、同じくビデオを見てしまった息子を助けるために両親にビデオを見せるという非情な手段を選ぶことになった。

見た本人がダビングしてほかの人に見せれば救われる、という犠牲を前提に回避する手段は用意されている。そのため必ずしも関わった人が死ぬとは限らず、きちんと回避する手段さえあれば死ぬこともないのだ。

呪怨の場合

ただ呪怨については無差別に人を呪い殺していく内容となっています。訪れた人はもちろんだが、いつ自分が殺されるかが全く予想できません。呪いのビデオのように1週間という期限がないところを見ると、一度関わってしまったら逃れる術はないという意図なのかもしれません。ですがこの作品を怖いと称する理由には、呪いの家に関わった人だけでなく、間接的に関わった人も例外ではない。それも家そのものに行ったことがない人も含めてだ。

そのため呪怨では関わりがあるなし関係なく、呪い殺されていってしまう。最終的に世界中へと呪いは伝播していき、やがて人類は滅亡するという絶望的すぎるエンディングを迎えるといった内容になりかねないのだ。恐ろしすぎる

呪怨ほど見て後悔したものはない

個人的に呪怨は映画こそ知っていましたが、映画は大分後から見た。その頃には既に良い大人になっていたので、さほど怖くはならないだろうと高を括っていたが、見終わった後には背筋が凍るような思いに苛まれたものです。リングの恐怖など比べ物にならないからだ。全く無関係の人が次々と無残な人としてまともではない惨殺により命を落として行く姿に、怖い以外感じるものはありません。ホラー映画の真髄ともいうべきJAPANホラーの真骨頂といえます。

涼しくなる話

劇場化に際して

このように有名すぎるがために、映画はそうした歴史と内容に即して制作して欲しいと考えている人も多い。こう言ってはなんだが、貞子3Dについては見ていてリング、果ては貞子の怖さが斜め下な方向へと行ってしまい残念すぎると感じてしまった。中でも作中ではまるで楳図かずお先生の作品である『漂流教室』で登場する荒廃した未来の世界で生きる未来人のような異形のバケモノが出てきた時は、怖いを通り越して笑ってしまった。ホラー映画を見ているのに笑うのもおかしな話ですが、あまりに突拍子もない展開に唖然としすぎてしまったのかもしれません。

無差別に呪い殺す伽椰子、見たものは回避できなければ必ず呪い殺す貞子、どちらも公開される新作でその良さを存分に発揮して欲しいところだ。嬉しいことに特報などでは貞子の呪いのビデオも出てくるので、原作に忠実な展開になるのではという期待も持てる。呪い方も呪った相手を殺す手段も、また呪いの対象すら異なる貞子と伽椰子が同じ劇中で戦うことになる。‘戦う'という表現もおかしいが、それでもなるべくならリングの怖さ、呪怨の怖さを忘れないような内容になっていてほしいところだ。