原作のほうが大分エグい貞子

映画で放送される貞子が圧倒的に有名すぎるせいか、原作小説を知らないという人もいるでしょう。ホラー小説なのに進んで読んでいられるかと、そう考えている人もいるはずだ。筆者も読んでみようと思ったが、色々調べていく中で原作と映画の設定がだいぶ違うこと、また映画の方がまだ貞子は可愛らしいと表現がおかしい感想を持つようになる。言ってしまうと天と地ほどの設定差があると言っても良い。

何が違うのかというと、そもそもの設定もあります。また彼女が怨霊となり呪いのビデオを残るまではそこまで差異はない。しいて言えば彼女の父親が伊熊博士であること、並びに生前の彼女がどうして死んでしまったのか、その死因についても若干異なっている。

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原作での生前から死までの流れ

原作小説であるリングでは伊熊博士と志津子の間に生まれた娘として生活しており、その頃には母親の志津子は超能力を持っていたと言われている。元々発現していたわけではなかったのか、マスコミを前にして行った超能力の公開実験において上手く発揮できなかったためにインチキ呼ばわりされてしまい、精神をきたしてしまう。

そんな母親が火口へと投身自殺した後、従兄弟である山村家へと貞子は引き取られていった。その先で噴火すると予知したことで有名人になったが、その頃には既に母を超えた超能力者になっていたとも言われている。ただ彼女の場合は能力と関係のない、演劇の世界で生きることを選んだものの怪事件を引き起こしてしまったため幼少時と同じく、なるべく人里から離れた場所での生活を余儀なくされてしまいました。

その後父が結核を患った病院にて担当医だった医師に強姦されてしまい、反抗したために井戸へと突き落とされて殺されてしまう。ただこの時担当医が天然痘ウィルスのキャリアであったため、死の直前にて天然痘に感染してしまったのだ。映画版では見られない描写だが、これが原作において非常に重要なものかつ呪いを生み出していた恐るべき存在へとなってしまうのです。

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リングウィルスによる感染

原作でも話題となる呪いのビデオの存在が挙げられます。見たものは必ず7日後に死亡すると宣告されたそれらから助かるためには、同様にビデオを見せなくてはならない。見せなければそのまま死亡してしまう、というのが映画版での流れだ。原作でも見せなかった人には死をもたらします。だが見せれば助かるわけではなく、代わりに『貞子新生』に強制的に協力させられてしまうのだ。呪いのビデオは貞子の超能力によってもたらされた怨念で作られたもの、ですが重要なのは中身ではなくその映像を見たことで植え付けられるウィルスが問題なのです。

死の直前に天然痘に感染した貞子が自身で作り上げた全く未知のウィルスで、その名も『リングウィルス』と呼ばれており、呪いのビデオを見た人間が感染することが一番恐ろしいところだ。

感染するとどうなるか

リングウィルスは未知のウィルスだが、それは実際には天然痘に似せて貞子が創りだした自身の遺伝情報が刻み込まれたものなのです。それに感染して協力しなかったものには死をもたらしますが、協力した男女によってそれぞれ働く効力が異なります。

  • 男性の場合:ウィルスは変質して精子状に変化する。 また脳まで侵食してその体を操る
  • 女性の場合:体内に侵入して子宮にて卵子に受精、感染者を母体として『貞子』を生み出す

このように、男性の場合は精子となったウィルスを女性に感染させるため、あるいは更なる呪いの伝播に勤めるためにウィルスに操られることになる。

むしろこの場合は女性のほうが背筋も凍る話と言っても良い。体内に侵入したウィルスによって母体されて妊娠した上、僅か1週間後には臨月を迎えて出産するというのだ。生後もすぐに成人して今度は自らの体を使って自身のクローンを作り出せるというのです。まさにホラーだ、と言える内容だ。リングも原作の方がかなりどよめきが激しくなる内容になっているのを分かっていただけるだろう。だが女性が自分で自分のクローンを作るとはどうやるのかというと、ここもまた原作と映画で異なる一つの設定があります。

睾丸性女性化症候群

『睾丸性女性化症候群』という病気を聞いたことがあるでしょうか、これは身体的な特徴は女性でありながらも生物学的には男性として分類されてしまう特異体質だ。この症候群になった人は女性であるのに子供を出産できない病気となっている。実際にあるものですが、ウィルスに感染した女性が貞子を生み出した場合にはこの半陰陽者の特性を持ちながらも自身で受胎出来る身体に変化しており、自分で自分を作り出せるようになるのだ。

貞子が全てを呪うとした先に見出した究極的な形と言えるでしょう、その結果あれだけの事をする存在になったと思うとホラーキャラクターとして完成されているといえるはず。原作を読んだ後に映画を読む、それで貞子に対する印象もまた違うという点が明確に読み取れるでしょう。