映画と原作では印象が大分異なる

例えばもし、映画版のリングでも原作小説のような貞子のおぞましいまでの呪いの果てに待つ、貞子無限ループ地獄が用意されていたとしよう。そうなっていたらどうなるかと考えたら、物語の結末がどうなるか皆目見当がつかなくなる。それこそ呪怨のように最終的に人類は滅び去り、最終的に貞子が地上の絶対的支配者に君臨するといったカオスな結末を迎えるかもしれません。追記しておくと原作ではウィルスに対するワクチンが作られており、貞子の怨霊から来る無限増殖のループは断ち切られて、人類滅亡は回避されたというハッピーエンドが用意されている。

原作の小説は死人こそ出ていますが、呪いの連鎖は無事断ち切られて平和な世界が戻ってきたとされていますが、映画では呪いは何処までいっても続いていくと暗に意味する内容で終わっている。バースデイでの死亡してから数十年の時を超えて、現代で自身の怨念に触れたものたちを尽く呪い殺していく。終わりはない、終わりたければ自分に変わる生け贄を差し出せと言わんばかりに決断が迫られます。映画版の中には呪いのビデオのダビングを見なかったため、殺されてしまった人がダビングを託したのに見なかった相手を怨霊となってとり憑くといったものまで様々だ。

そんな貞子ですが、その振る舞いや容姿についてはあまりに有名となりすぎて色々な作品でネタにされすぎているところがあります。本当にそれで良いのかと言いたくなりますが、言われてみると確かに納得だと思わず頷いてしまうところもある。

夏向きのおすすめ情報

呪いの‘ビデオ'がポイント

貞子の怨念によって作られた呪いのビデオ、これを見たものは死んでしまうというのが全ての始まりであり、全ての終わりを告げるものでした。98年に公開された当時も呪いのビデオなるものの逸話は都市伝説的に広まっていましたが、一躍貞子の名が駆けまわったのは言うまでもありません。そうして現代にまで引き継がれていきましたが、それでも限界はある。この頃になるとビデオ以外のメディア媒体、DVDに切り替わって現在はBlu-Ray Diskと高鮮明な映像美が楽しめる時代になりました。今ビデオを見ると、よくこんな汚いもので見ていたなと思うこともあるはずだ。

しかし現代人、それこそここ数年以内に生まれたという子供達にしたらビデオと言われてもわからないのが現状かもしれません。電化製品店にてビデオデッキが売られていた時代もいつぞや、もう既に市場規模が完全に切り替わっている時代では。ビデオは時代錯誤も甚だしい産物だ。貞子VS伽椰子では奇跡といってもいいほどかもしれません、ビデオを知らない人にしたらかなり衝撃的でしょう。ただそこまで小さい子供が見るかとなったら微妙なところだ。

ビデオが見られない、時代が進みすぎている感が否めないためにリングシリーズも段々と制作がしづらくなっていったと見るべきなのかもしれません。貞子3Dでは動画サイトにアップされたという突拍子もない話になっているので、ある意味呪いの垂れ流しだ。

こういうところも

リングは日本で人気を博した後、ハリウッド映画としても公開されました。世界で貞子の恐怖を体験してもらったとだけあって、日本のホラー映画でも通じるんだなぁという風に感じ取った人もいるはずです。感慨深いところでもありますが、ただ表現がかなり行き過ぎてしまっている。日本の貞子は容姿こそ昭和の日本人女性を絵に描いたような姿になっている。黒髪に白いワンピース、素朴でおしとやかな印象、は貞子にはないものの生前はそういった儚げなさがありました。

ですがハリウッド映画における貞子は大きく変貌させられてしまい、言ってしまえば映画版での描写にもあった本当の父親である海の怪物といわんばかりにモンスター化させられている。確かに怖い、怖いのは認めるが貞子の怖さはそこではない。まだ人の形をしているのに、人とは違った能力を有した怪物となっているところが一番怖く感じられるのだ。

日米の差なのかもしれませんが、ともかく貞子の恐怖は間違いなく世界でも認められた点だけは間違いないでしょう。

登場の仕方

また貞子といえば怨念の塊でもある貞子本人が井戸から這い出してテレビから出てくるところだ。一時期はテレビから這い出してくるのではないかといったネタが各バラエティでも表現されている。この登場の仕方もインパクトはあったが、あまりに印象的すぎたためにパロディ化されて怖いを通り越して、お笑いの定番化とまで見られるようになってしまっている。

果ては彼女のこの登場の仕方が堪能できるパチンコまで作られている始末。この作品の場合は貞子視点で呪いを伝播していき、演出によって呪い殺していけば大当たりという貞子になった気分が堪能できる。呪い殺す体験なんて中々出来ない、とはいえないが貞子の呪い殺す気持ちとは全く異なる心情なのは言うまでもない。

涼しくなる話

怖いけど

貞子は怖い、怖いが有名になりすぎてその存在が創作活動によりネタとかしてしまっている。原作の恐ろしさなど皆無となり、自分たちを脅かす存在であるはずの貞子になって笑わそうといった、そんなネタまで飛び交っている。ある時はプロ野球の始球式にまで登場して、本気の投擲を見せたほどだ。

有名なのは良いが、恐怖を損なうようなことをすると逆効果だなぁという感が否めません。そんなものを見てきたせいか、筆者は今リングを見ても怖いと感じる事も少なくなってしまった。